Tern BYB、それは意欲的な新型を発表し続ける折りたたみ自転車ブランドTernから新登場する2020年モデル。
そのコンセプトは「自転車を持って出かけよう」となっている。
発表されたときも記事にしたけれど、やっぱり新型だけに実物をみて、試乗してみないとわからないことがたくさんある。
やっぱり経験してみないとね!ということで、試乗レビューをお届け!
Tern BYBの特徴を一言で?
Tern BYBの特徴を一言で言えば、クネクネでドッシリな折りたたみ自転車である。なんのことやら?
クネクネは折りたたみのこと、ドッシリは走行性能。以下詳細説明。
Tern BYBの折りたたみの特徴はクネクネ
コンパクトに折りたためる。そのことが売りであるTern BYB。折りたたみサイズは他のモデルと比較してもコンパクト。見た目は大きな塊になるという感じ。
Tern BYBのBYBhはBring Your Bike(自分の自転車を持って来よう)の略。それだけに折りたたみサイズにこだわったという感じだ。
同じ20インチのTern Verge N8と比較すると、次の通り。
- Tern Verge N8: W790 x H720 x D380
- Tern BYB: W810 x H520 x D350
新しい折りたたみ方法にしたことで、確かにコンパクトになっている!
ペダルを取り外したりハンドル角度を変更することで、出っ張りの少ない長方形を作り出すことができる。「工夫したな!」という印象だ。
しかし、工夫したからこそ、折りたたみ手順の多さと複雑さは気になった。手順は、えっ〜〜と
1. シートポストを2段階下げる(が、下はロックしない)
フレームを折るときに干渉をかわすために下側のロックは解放しておく。
なお、サドルは後ろ向きにする。
2. フレームロックを2箇所外す
パチン、パチンと。これは簡単。
3. フレームを折る
ここでフレーム3つの安定味の悪さが……。何度折りたたみをしようとしてもクネクネと自転車が動いてしまう。
昭和のことに蛇のようにクネクネするおもちゃがあった。あれを彷彿するクネクネ。
自転車がバランスを崩して倒れそうになってしまう。それを起こそうとすると、またクネクネ。起こす。クネクネ。起こす。この一連の動作で、重さがジワリと体にこたえてくるものだった。
上手く折りたためると、ホイール同士がくっつく。そこまで出来たら、シートポストロックをするといい感じにできる。
手をひねって、逆手にして折りたたむらしい。コツを習得するまで大変そうだ。
↑手をひねってN字に折る
4. ハンドル角度を変更
ハンドル角度は可変ステムの角度をかえることで立てる。
5. ハンドルポストを折る
ここはスムーズにできる。折ったハンドルポストはロックのためにフックにかける。
以上で終わり。覚えられないよ(^_^;)
やはり、大きな問題点は、コンパクトにするために導入されたフレームを3つに折る方法。
斬新だが、畳む時にコツがいる。
しっかりとフレームを抑えていないと、クネクネと動いてしまう。
もう一つ気になるのが、展開するとき。
このとき、ホイールがくっついている箇所のロックを外す必要がある。
そのロックはホイールの奥まったところにある。
ロック解除するときに、慣れていないとスプロケやチェーンに手が触れてしまうのだ!
↑このロックを解除するのが難しいぞ
Tern BYBの走行性能
「3つに分かれるフレームで重いから走行性能は低いのでは?」と、どこかバカにしていた自分がいたことを素直に認めないといけない。
Tern BYBに乗った瞬間に安定味の良さを感じた。ドッシリとしている。
Ternの他のモデル、例えばTern Verge N8やTern Vektron S10でも感じることだが、安定味が重視の作りなのだろうか。
なぜ安定味があると感じるのかなぁ?お店の方にも聞いてみると……。
ドッシリと低重心
低重心であるのがそのひとつ。
13kg以上ある自転車だが、全体的に低いところに重たいパーツがあるようだ。
長めのホイールベースとも相まって、そうこうしている時にドッシリしていると感じる。
タイヤはSchwalbe Citizen
搭載されているタイヤはSchwalbe Citizenというタイヤ。
パッとみた感じではSchwalbe Marathon Racerかと思ったが違った。
Schwalbe Marathon Racerは55-85が指定気圧だが、このタイヤは35-65。
高圧にできないが、低圧で走ることが想定されている。
よって、乗り味の良さにつながっている。
Tern BYBの試乗しながら気づいたこと
折りたたみ性能と走行性能以外にも試乗を通して気づいたことがある。
1. ワイヤー取り回し
ワイヤーがクネクネとはっている。
アウターワイヤーをさらに束ねるワイヤーがある。
こういったことは、複雑な折りたたみ構造だからだろうか?
ワイヤー張り直しは二度と出来ないかもと思わされる複雑さ。
2. いろいろな専用パーツ
特殊な折りたたみ構造を支える専用パーツも多々見受けられる。
↑ペダルを止めるための台座がフレームにある
↑折りたたんだ状態で置くための裏側にあるゴムクッション。
↑チェーンガード。
専用パーツといえば、Tern BYBで輪行するときに便利な純正オプションがあるとのこと。
これは同時購入したい!というか、標準装備でもいい感じ。
3. 誰でも乗れる多様性
折りたたみサイズを工夫するために導入されている2段階シートポスト、そして可変ステム。
その副次的効果として、多くの人にとって乗りやすい自転車になっていると思われる。
一般的に折りたたみ自転車は140cm〜170cmくらいに合わされている。
しかし、Tern BYBはステム角度が可変、シートポストが2段階で伸縮するので、180cm以上にも対応できそう。
↑可変式ステム
Tern BYB、最終判決。
折りたたみ方法は新しいので、練習を重ねておきたい。出先で、「あれ?たためない」ということは避けたい。
3つに分かれるフレームは気になるところだが、試乗した限りでは、安定味ある走りだった。
普段は玄関先で折りたたんで置いておく。旅行する時は車のトランクに入れておく。電車輪行?それはムリ。重いから。
身長制限はそれほど厳しく感じないので、家族全員で共有するというような使い方はオススメ!
新しい折りたたみ構造の発表はワクワクさせる。今後の改良にも期待だ!
最後に
今回も橋輪さんに協力をいただきました。いつもありがとうございます。
今日も『自転車でGo.com』にお越しいただきありがとうございます。折りたたみ自転車もいいけれど、折りたたみ鞄もおすすめしたい。最高だぜ!?
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