自分でルートを考えて、ぐるりと走る。そうすれば、どこだって素敵なサイクリングロード。
どうせなら23区を回ってみたら楽しいかも?
と考えて始めたのが1周シリーズ。どの区にもそれぞれ別の趣がある。いや、同じ区内でもエリアによって様々な顔があるのだ。見知った街でも違う発見。そういう楽しみがあるのがサイクリングの醍醐味の一つだろう。
シリーズvol4として、今回訪れたのは東京都足立区。足立区……。
↑足立区
↑こんなルート。
足立区が怖いって本当か?
足立区って怖い。という先入観があるのだ。
確かに犯罪率が高い。いや、正確に言うと高かったのだ。こちらの統計調査によると、
足立区は平成18年~平成21年の犯罪認知件数ランキングが都内の中で連続ワースト1位だったため、治安の悪い地区として有名ですが、平成30年は23区中11位まで回復しています。
治安が悪いという汚名を返上するためにも地域が努力をしているのだろう。
それでも、やっぱり足立区は怖いというイメージが払拭できないのだ。それは
「足立」ナンバーの車、マナーわるいでしょ!?
という印象が私に刷り込まれているのだ。冷静に考えれば、足立、品川、世田谷、練馬しかナンバーはないので、23区平等ではない。それでも、
なんだ、この車、狭い道を飛ばしすぎだろ!
とか
トラック幅寄せ怖いよ〜!
というときにナンバープレートをジロリと見つめると
足立
と書いてあることが多いのは気のせいだろうか。自転車で走っていると車に幅寄せをされたり、すごい勢いで横を通り抜けていく車と出会うことが多い。あくまでも個人の感想。
「足立区=怖い」が事実かどうかはさておき、「足立区=怖いと私が思っている」のは事実である。
綾瀬駅でいきなりパトカーに捕まるヤクザ
↑綾瀬駅からスタート
スタートは綾瀬駅。人生で足立区1周サイクングを企画しなければ、決して訪れることがなかった駅だろう。前日までの予習ルートを確認しているときにふと顔をあげると、警官が群がっているのが見える。
どうみてもヤクザと思われる風貌の車を囲って、切符を切っているようだ。
え?交通切符かなぁ?と思って、なんとなく周囲を見渡すと
反対側にもパトカーと警官が見える。
右にも左にもパトカーとか出会ったことがない瞬間だ!
やっぱり足立区って怖いのかなぁ!?と思いながらスタートした。
スタートしてすぐに足立ナンバーの車に寄られる。
やっぱり怖いです〜。
今日は生きて帰れるだろうか!?
家が密集している中川地区
↑昭和の香り、中川地区
今回は左回り。葛飾区との区界を進んでいく。足立区の東、中川地区に近づく。実に多くの家が密集しているのだ。東京下町のイメージそのままで、驚く。昭和の街並みがそのまま保存されているような雰囲気で、顔もほころんでしまう。(私は下町生まれ)
↑それにしても道が細すぎる
中川サイクリングロードはないけれど
↑中川サイクリングロード?
中川に到着して、北上する。ちょうど護岸工事をしていたので、川沿いをずっと進むことはできなかった。
しかし、車もあまり走っておらず、舗装されている広々とした道を北上していくことができた。多くのランナーもいたので、走りやすいエリアと考えて良さそうだ。
気持ちよくサイクングしていると、あっという間に埼玉県との境。ここで進路を西へ。
驚きの連続!毛長川沿いに武蔵野路舎人コースが続く
↑舎人エリア
毛長川沿いには武蔵野路舎人コースという遊歩道が続いている。予想以上に静かな自然に囲まれている。桜並木となっているようで、道もオフロード。
きっと春先はきれいなインスタ映えする道がつづいているのだろう。
しばし、自転車を押して進んだが、歩くのは疲れるので、一本横の道を進んでいくことにした。
↑自然がひろがる武蔵野路舎人コース
↑静かな川沿いに自然がひろがる驚き、自転車を押しながら
↑いい感じでしょ?東京都内と思えず
↑川沿いに細い道あり
↑見沼代親水公園
ところで、毛長川ってちょっと風変わりな名前。毛が長い川。ちょっと調べてみると、いろいろと怖い伝説が出てくる。毛が長い女性がいて……。興味がある人はgoogle検索してみほしい。
綾瀬川から新芝川へ、あれ?サイクリングロードは?
足立区の周りは川に囲まれている。つまり基本的にはサイクリングロードが続いている。
と思いきや!
↑川沿いが単なる土手
芝川サイクリングロードは反対岸の埼玉県川口市側だけに存在するようだ涙
大人気のキッチンとれたて→荒川サイクリングロード
↑キッチンとれたて
芝川と荒川の合流地点にあるのが、キッチンとれたてというカフェ。ここで休息をしているロードバイク乗りはとても多い。
ロードバイクが入れ替わり立ち代わり出入りしている。みんなが
ロードバイクを止める
↓
他の人のロードバイクをチェックしている
↓
休息しながら自分のロードバイクを眺めている
という感じである。たまに、事情を知らない人が通りかかって奇異な目を向けているのが印象的だw
↑ちょっとした品評会の雰囲気だった
↑荒川サイクリングロードを南下していく
↑荒川の流れ
どうしても行きたいお店がある
足立区1周も終了間近。あとは北千住を抜けて綾瀬駅に戻るだけである。
が、どうしても行きたいお店があるのだ。
1周ルートから外れている。
舎人公園?
ノーーーーー。それも行きたい。多くの人からは定番として教えてもらった。しかし、自転車で中に入ることができないらしい。
行きたいのは
maruca coffee。
↑maruca coffee
梅島駅近くにあるこじんまりとしたコーヒーショップである。
知人からドリップパックのコーヒーをいただいたことがある。
ドリップパックの挽いたコーヒーでさえ、素敵な香りがひろがるmaruca coffee。
飲むと尖っていないまろやかな暖かさを感じるコーヒー。
きっとお店で飲んだらもっと感動的な味なのだろうと思いこがれていたのだ。
思いは募るばかりで半年余りが過ぎた。
すでに足立区サイクリングでかなり疲れていた。意外にも広い足立区。すでに50kmくらい走っている。なんだか頭痛もする。風も強い。新型コロナウイルス?(ぜったい違う、でもインフルエンザかも)
一瞬、北千住駅から輪行して帰宅する多くの理由を思い浮かべたが、ずっーーーーーーーと訪れたかったのだ!
迷ったらゴー。いくしかないでしょ。今回行かないとまた行けない。
疲労もピークに近づいているので、ゆっくりとペダルを踏んでいく。そして、お店に到着。すでにお店の外までコーヒーの香りが漂っている(気がするだけ)。
↑maruca coffeeに到着
店内ははっきりいって狭い。しかし、そこには先客がいて、席が埋まっている。
3席しかないとか、聞いてネーーーー!
↑狭いのに焙煎機
さらに
都内でキャッシュオンリーとか想定してネーーー!
それでも、ここで引き返すのは空しい。なんのためにここまで50km以上も走ってきたのかと。
近くのセブンイレブンでお金をおろして再度訪問。
折りたたみ自転車でヘルメット姿。お金持っていない中年男性が珍しいのか、私が再来店するや、他のお客が席を立つ。(汗臭くてごめんなさい。)
「狭くてごめんなさいねー」
とか
「淹れるのに時間ちょっとかかってすいませんー」
と言われて、一向にコーヒーが提供される気配がない。
↑まぁ、ゆっくりとコーヒーいれましょ
↑コーヒー種類はたくさんあるよ
それでも待ち時間が全く苦にならない不思議な空間。むしろ、急いで淹れて味が落ちないでほしいので、マスターのペースで淹れて欲しい。
待つこと30分、ウソ、実際は3分。いよいよ念願のコーヒーがやってくる。選んだのはもちろんmaruca blend。ストレートのコーヒーを選んでもいいけれど、やはりお店の実力がでるのはブレンドだとおもう。
はっきりいって、期待値がすでに高い。ここまで半年以上も待ったのだから当然だ。
この感覚はドラクエの発売日をずっと待っていた小学生のようなものだろう。
コーヒーを一口。私は猫舌であることを忘れていた。一口目は熱くてわからない涙 しかし、なんだか体があったまってくる。コーヒーの温度ではなく、お店の雰囲気とオーナーの感じの良さがもたらす温もりだと思う。
話しながら、そして飲みながらお土産をどれにしようかと考える楽しさがあるお店。
人生で買ったことがないような高級チョコレートとドリップパックと豆を購入。またの来店を楽しみにしながらmaruca coffeeを後にしたのだった。
ふと気がつくと、頭痛は消えていた。
↑お土産も豊富
↑maruca coffeeは梅島駅近く
足立区1周を終えて
やっぱり「足立」は怖い。その思いは今も変わらない。twitterでも
安全のためなるべく川沿いの遊歩道を走って下さいね。マジで危険ですから。
— みつばexpress (@mitsuba_express)
などと、身の危険を心配される始末。小さい頃から刷り込まれた足立区の怖さは簡単に拭い去ることもできなそうだ。
それでもmaruca coffeeで味わったコーヒー。そこにいるオーナー。そしてオーナーを慕って集まる近所の人たち。そこには人間味ある温かさ、下町の人情味があふれているのだ。
怖いけれど人間ぽい街、それが東京都足立区だ。
今日も『自転車でGo.com』にお越しいただきありがとうございます。足立区もう1周するかね!?
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