理想のミニベロってどんなものだろう?
走っているときは軽快に走ることができる。でも、疲れたらそこで、終了。そして、楽に輪行して帰ってくることができる。
走りも良いが輪行もしやすい。そんな理想的なミニベロなんてあるのだろうか?
もしかしたら、その答えの一つが今回紹介するカワセミにあるかもしれない。
人の縁とは不思議なもの。巡り巡ってムサシノ ジテンシャの開発者である浦田氏に話を伺う機会に恵まれた。氏が考案したカワセミはどのような自転車なのだろうか?
↑熱い想いが伝わってくる浦田氏
カワセミ(ミニベロ)の開発者の思い
一般的にミニベロを手にした多くの人は快適さを求めたり、見た目を格好よくしたり、走りを求めたり、様々なカスタマイズを施していく。カスタマイズに多額の出費も惜しまないなんて、まさにクレイジー。(例、このサイト制作者)
しかし、カワセミの開発者はちょっと次元が違う。
自分が理想とするミニベロがないならば創ってしまえばよいのでは?
もっとクレイジーだ(褒め言葉です)(^_^;)
しっかりとした走行性能、しかし、疲れたところで終了して輪行できる自転車。そんな欲張りな自転車を創造するところから開発がはじまった。
そもそもカワセミって?(鳥の話)
そもそもカワセミは小型なのに驚くべきほど速いスピードで飛び回る鳥である。しかし、クチバシが異様に長い。餌食となる側からすれば驚異的な長さだ!取る側からすれば、まさに実用的なクチバシである。
小型で速い、でも実用的。その素晴らしさのために多くの野鳥愛好家を魅了しているのだ。
ん?「 小型で速い、でも実用的。」ってもしかして理想的なミニベロなのでは??
カワセミ(ミニベロ)の走行性能
これまでに、様々な折りたたみ自転車やミニベロに試乗した自分だが、どのミニベロよりも乗り心地よく、スピードに乗せやすいと感じた!まさに、カワセミのように小型だが、素早い動きができるミニベロだ!
↑ミニベロとは思えない安定した走り
この秘密はフレーム構造にあり。まずは折りたたみ機能を省いている。折りたたみ機能があると剛性感が落ちて重量増となるが、省いたことで、走行性能が向上していると思われる。
また、ダイヤモンドフレーム形状を維持したことで、バランスのよいフレームになっている。見た目と性能を考えたら、ダイヤモンドフレームでしょ。
フレームの材質はクロモリを採用。乗り心地の良さと細いフレームデザインに貢献をしている。
全体の重量は9kgくらい。クロモリフレームのミニベロでは軽量の部類にはいる。12kgくらいは普通だけに、この軽さは走行でも輪行でも大きなメリットだ!
また、16インチ(349)を採用したことで、加速性能のよさに一役買っているのだろう。
カワセミ(ミニベロ)の輪行
先に述べたように、走行性能を維持するためにカワセミはミニベロでありながら、折りたたみ自転車ではない。しかし、輪行時にはコンパクトになる。
考え出された方法が分解組み立て式。分解したホイールなどを固定する箇所がしっかりと考えられているのだ。
実際に分解していく様子を見てみよう。
↑ペダルを外してバックステイに取り付ける
↑工具を利用してハンドルポストを抜きとる
↑所定の位置へとりつける
↑自立するための専用パーツを取り付ける
↑ホイールを外すと自立します!
↑専用バッグへ入れる
↑なんとバックパックとして背負うこともできるのだ!まるでギターケースみたい!
多くの飛行機輪行の規定で採用されている3辺合計=202cm以内をクリアするのは言うまでもなく、3辺合計で158cm以内もクリアしている!
「158cm規定をクリアしよう!」というのが開発のきっかけにあった。例えば、ホイールサイズは16インチ(349)となった。また、ホイールベースが若干短めである。
この仕様のために、輪行時は背負うもよし、持つもよし、預けるもよしと様々な輪行方法に対応できるのだ!
まさにカワセミ(鳥)のくちばしのように実用的であるといえる!
↑フロントバッグ搭載も可能。
他の折りたたみ自転車との比較
走行性能を維持しながら輪行もできるというのは実に画期的なことである。他のミニベロと比較すれば、その特徴が際立ってくる。
独断的に表にしてみる。
ミニベロ | 走行性能 | 重量 | コンパクトさ |
---|---|---|---|
Tyrell FX | ○ | ○ | × |
Tyrell CX | ○ | ○ | × |
BROMPTON | △○ | × | ◎ |
カワセミ | ○ | ◎ | ○ |
いよいよ理想的なミニベロに見えてくる!
カワセミ(ミニベロ)の弱点
カワセミのように美しいミニベロだが、弱点も考えられる。
弱点その1: 分解組立
この自転車の最大の特徴であり、最大の弱点。折りたたみ自転車ではないので、どうしても分解する手順が複雑になってしまう。コンパクトさを実現するために手軽さがトレードオフ。
慣れてしまえば容易にできるだろうが、ちょっと練習が必要であると感じた。
↑気軽におりたたみ♪というわけにはいかない
弱点その2: フレーム
分解組立をしたときのサイズを重視するためにホイールベースがすこし短いように感じた。前輪が随分と手前にある感じ。
しかし、まだまだ開発中の自転車である。数多くの実車試験を経て発売となる。開発者である浦田氏の話によれば、次回の試作機では改善されるとのこと。本当に期待大!
弱点その3: まだ未発売
ここまで読んで、カワセミ欲しい!と思っても入手する術はない。まだ開発中なのだ(^_^;)
世に誕生するまでにはきっと弱点も解決されて登場するに違いない。
さいごに
理想の自転車を追い求めて開発をつづける情熱には敬服してしまう。カワセミが世に生まれるまで是非バードウォッチングを続けたいと思うのは言うまでなく、その人柄からぜひ開発を応援したくなるものであった。
ありきたりだけれど、「がんばれカワセミ!」
今日も自転車でGo.comにお越しいただきありがとうございます。こうして、自転車&ブログを通じて人と会えるというのは本当に素晴らしいことだと思う。今回の機会を提供してくださった浦田氏をはじめ、関係者にはこの場でお礼を伝えたい。ありがとうございました!
コメント
更新お疲れ様です。
カワセミは雰囲気がバイクフライデーに似てるかな、と思いました。
あと以前コメントに書いたウィンドコグのZICと言う折り畳みミニベロは販売開始されたみたいですよ。
コメントありがとうございます。
カワセミとバイクフライデーたしかに両者ともクロモリフレームですから似ているところがあるかもしれませんね。
ZICはまだ実車をみたことがありませんが、機会があれば試乗してみたいですねー。