千葉県の各市町村を1周するシリーズ。
今回は千葉県栄町。
え?栄町ってどこ?
利根川サイクリングロードを走るときに看板見たかも?
あれ?印旛沼だっけ?
えっと、房総のむら?
とあまり知られていないかもしれません。
しかし、街は隠れた魅力でいっぱいでした。
これを読んだ人は千葉県栄町に行きたくなる!(といいなぁ)
千葉県栄町ってどこにあるの?
千葉県栄町がどこのあるのか?まずはこれを伝えないと。
千葉県栄町は利根川サイクリングロードの途中、千葉県の北部にある町です。
チーバ君で言うと、頭のあたり。
印旛郡栄町となります。
人口は2万人くらいの小さな町……と思っていましたが、江戸時代には水運で栄えた町。
なんとなく、当時の面影があるような、ないような。
最寄駅……というよりも、町内に駅はひとつだけ。
JR成田線の安食駅です。
この駅名が、わかりづらさを増長しているようにも思えます。
安食、みなさん読めましたか?
これが読めた人は千葉県マニアです。
↑千葉県の難読漢字シリーズでは必ずと言って良いほど、掲載されています。「安食=あじき」と読みます。
↑千葉県栄町はここ。
印旛沼サイクリングロード?
印旛郡栄町というくらいですから、印旛沼に近いです。
印旛沼サイクリングロードの終点は栄町にあります。
まずは、印旛沼サイクリングロード終点を目指して走ります。
途中の橋で写真撮影をするつもりでしたが、工事中。
どうやら、大きな橋に架け替えられるようです。
税金の無駄遣い……ではなくて、現在ある橋の老朽化のためでしょう。
橋の工事のために印旛沼まで進むのは大回りになってしまいます。
印旛沼サイクリングロード終点での写真撮影は諦めて次の目的地へ。
↑道をちょっとそれると、田舎道に変わります。
古墳群があるのです!
次の目標は龍角寺古墳群。
「群」というくらいですから、大小さまざまな古墳があります。
なかでも、岩屋古墳は最大級の古墳で、見るものを圧倒するような大きさです。
上から見ると、綺麗な方墳だろうと思い、登る場所を探しましたが、
「古墳はお墓ですから、登らないで」
という注意が書いてあったので諦め。
↑見えてきましたよ、岩屋古墳。
龍角寺古墳群で最も大きな、岩屋古墳。そのサイズは奈良にある用明天皇や推古天皇陵よりも大きいらしい。
ちなみに、この古墳は105番と番号が振られていました。
105個以上も古墳があるのでしょうか?
いくら古墳「群」だからといって、多すぎでは?
この謎はこの後に解けました。
龍角寺に潜む、知られざる伝説や歴史
殺風景な龍角寺
ところで、龍角寺古墳群の龍角寺とは?
実際の同名のお寺があるようなので、案内板に従って、龍角寺へ向かいます。
いくつかの坂道を越えて、たどり着いたのは龍角寺。
名前は格好いいですが、お寺はお世辞にも豪華とはいえません。
↑どことなく侘しさを感じる境内です。
709年に建てられたお寺とのことですが、本堂はどうみてもプレハブをちょっとレベルアップした感じ。
明らかに昭和以降に建てられた建物に見えます。
「特に、これと言って注目するべきところもないかな!?お腹も減ったしランチにしようかな!?」
と思って、自転車にまたがったところで、首からネームプレートを下げた初老の男性が登場しました。
どうやら、ボランティアガイドの方で、10分くらいで龍角寺を説明してくれるとのことでしたので、付き合うことにしました。(これが大正解)
龍角寺のはじまり
龍角寺は709年よりも前に建立されたんですよ!
え?と衝撃的な発言で始まったガイド。
だって案内板には709年と明確に記載されています。
しかし、ガイドさんの話によると、
650年〜660年くらいに建立されたのではないか?
ということが明らかになってきたそうです。
いろいろと文献や出土品を調べるとわかるようです。
驚きなのが
関東最古の古刹
ということでした。え?そんな由緒があるのに、この状態?
住職の考え方などもあって、観光地化していない。だけど、龍角寺は7世紀からあったのは間違いないそうです。
現在の仮奉安殿は昭和25年に火災の後で、とりあえず建てられたもの。
「とりあえず」だったのが、今日に至るそうです。
なんともったいない。
関東最古だけに、本尊薬師如来座像は国の重要文化財に指定されています。
昭和8年から25年の間、この像は国宝扱いにされていたとのこと。
本堂の中を除けば、大きな徳川の葵御紋が見えます。
なんと、徳川家康が1591年に検知にきて、ここで宿泊したことに由来する!
失礼ながら、繰り返すけれど、殺風景な境内です。そんな由緒があるとは思えません。
↑写真でしか見れませんでしたが、重要文化財の元国宝、薬師如来坐像
↑熱心にガイドをしていただきました
設立当初はきっと立派だった龍角寺。
たぶん現在の512倍くらいは豪華だったのでしょう。
ここに建てられていた三重塔は茨城県からも見えたそうですし。
それだけ立派なお寺ですから、この地を納めていた豪族もかなりの身分だったことが推察されます。
そう考えると、この辺り一帯の地名が龍角寺であることにも納得です。
さらに、古墳群があったところから、お寺までは山道であったことも納得。
きっと一番の規模だった岩屋古墳は龍角寺の住職かこの地域の王様でしょう。
その証拠に全部で古墳は114基が見つかっているということ。
メインの岩屋古墳はなんと、奈良にある用明天皇や推古天皇のお墓よりも大きいらしい。
天皇よりも大きなお墓ということは、そのくらい有力な豪族がこの地にいたということでしょう。
一体誰が?
どんな人物が?
まったく歴史記録にないのはなぜか?
と疑問ばかりが湧いてきますが、お寺の石は答えてくれません。
私たちは推測するしかないのです。
むしろそう言った推測が楽しいのかもしれませんね。(完全にマニア)
龍角寺伝説
謎めいた由緒正しき古刹、龍角寺。
そのお寺の名前は下総地域に伝わる龍伝説に関係しているそうです。
当時、日照りが続き、旱魃で大変だったとき、一人の老人が現れました。
老人は竜の化身で、雨を降らしてくれる約束をしたそうです。
ただし、竜の王様?から許されているわけではないので、雨を降らせば罰を受けると。
しばらくして、下総の大地に雨が降りましたが、同時に稲妻が走り、龍が頭、腹、尾の3体に切られてしまったそうです。
その頭が落ちた場所がこの地で、なづけて龍角寺。
なるほどーーーーーー!
ちなみに、龍腹寺は印西市、龍尾寺は匝瑳市にあるそうです。これも訪れないと!
そういう楽しいガイドさんの話を聞いている小一時間。
お礼を言いながら、慌てて先を急ぎますーー!
ガイドさん、ありがとうございました。
↑紙芝居のように進む解説は拝聴の価値あり!
↑ガイドさんにお勧めされた神社のひとつ。鳥居がない!?
↑道には菜の花がきれいに咲いていましたよ
↑立派な鳥居で、急な階段の上に拝殿と本殿がありました
↑畑景色が広がり、サイクリングをしていて気持ち良いです
将監川は昔の利根川だと思うけれど……。
ガイド話に華が咲いたので、ランチを食べる時間帯は遅い午後に。
おかげで、ピークタイムを外したので、店内は空いていたよ。ラッキー♪
↑千葉県栄町の北東部、長豊橋
↑うなぎを食べて充電
↑食後は少し運動です。千葉県栄町の北西部にある神社にて
食後のお目当ては、千葉県栄町北部を流れる将監川。「しょうげんがわ」と読みます。
将監川は地図でみると、どうみても、利根川の旧水流に見えます。
昔は利根川の本流はこっちで、洪水を防ぐために治水工事を行なって、残ったのが将監川。
これは推理だったので、それを裏付ける看板などを探しましたが……あいにく発見できず。
静かな川沿いをサイクリングして、安食駅に戻ります。
↑将監川沿いの道。たぶん、土手も兼ねていますね。
↑サイクリングロードとしか思えない道
↑将監川を背景に
↑ぜったい旧利根川だと思う
↑地図をみると、そう思いませんか?
千葉県栄町、JR安食駅周辺で
大鷲神社で恥ずかしい驚き
JR安食駅まで戻ってくると、面白そうなお店がたちならんでいます。
でも、その前に街一番の神社と評判の大鷲神社を訪れます。
龍角寺で出会ったガイドさんにお薦めされていたのです。
たしかに、多くの神社が分祠されていて、大神宮の雰囲気。
なかでも、子宝祈願で有名な神社であるようで、ちょっと驚きの像がありました。
写真に収めようかと悩んだのですが、神聖すぎてパス。
どんな驚きの像かは現地に行って確認してみましょう。
↑分祠されているのか、たくさんの神社鳥居が集まっていました
評判のパン屋さんと老舗の和菓子店
すでに千葉県栄町1周で、40kmくらい走りました。
疲労を感じたので、小休止です。評判のパン屋さんと老舗の和菓子店を訪れます。
↑ヒッパラの樹にて、パンを食べました。クリームの甘さが疲れを癒してくれます。
↑花壇と木造の外観がおしゃれ。
↑どら焼きと葛餅を購入。老舗の和菓子店、天多屋さんにて
↑元気を取り戻してからJR安食駅に戻り、電車に飛び乗ります。
今日も『自転車でGo.com』にお越しいただきありがとうございます。千葉県栄町は予想外の魅力でいっぱいでした。観光協会の方とも会いたかった!
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