東京中心を流れる神田川。井の頭公園を水源として、下流は両国橋近くで隅田川に合流します。全長25kmくらいだけれど、
- 神田川沿いにサイクリングロードあるの?
- 都会をサイクリングするのは大変なの?
- 途中の見どころは?
と「???」が頭の中を巡ります。これを解決するには百聞は一見にしかず。現地訪問レポートをお届け!
↑ゴールは井の頭公園のお茶の水。徳川家康がお茶に使ったと言われる湧水
神田川サイクリングロードはあるの?
「神田川って都会の真ん中を流れていますよね?神田川サイクリングロードはあるのですか?」
「自転車専用ではありませんが、自転車が走れる道はあります。」
「おおお!ずっと川沿いに道があるのでしょうか。」
「そうではありません。下流域は一般道です。でも、中流から上流は、歩行者専用道路(自転車は除く)という道が続きます。」
「自転車で快走できるのですね!」
「荒川や江戸川のように広々とした道が続いているわけではありません。あくまでも、歩行者専用道路(自転車は除く)ですから、歩行者がメインです。」
「川沿いに車が通れない道が続いている感じですか?」
「はい。ここでは便宜上、神田川サイクリングロードとよびますが、実際は歩行者メインです。」
神田川サイクリングロードのルートは?
「神田川が東京の真ん中を流れているのはわかるんだけれど……。」
「けれど?」
「実際は、どのあたりを流れているのでしょう?」
「主な駅名でいうと、次の通りです。」
- JR浅草橋
- JR秋葉原
- JRお茶の水
- JR水道橋
- JR飯田橋
- 東京メトロ丸の内線江戸川橋
- JR高田馬場
- 東京メトロ丸の内線中野新橋
- 京王井の頭線永福町
- 京王井の頭線高井戸
- 京王井の頭線久我山
- 京王井の頭線三鷹台
- JR吉祥寺
「東京ど真ん中だけに、他にも多くの駅からアクセスできますね。」
ずっと川沿いを走れるのか?
「川沿いにずっと道が続いてるのですか?」
「いいえ。ところどころ道が途切れますよ。」
「じゃあ、迂回路をスマホ地図で確認しながら進まないといけない?」
「いや、その必要はないと思うよ。川沿いに道がなくても、数100mで復帰できる。5km迂回みたいなことはないです。」
道は整備されているのか?
「神田川サイクリングロードは整備されているのですか?」
「簡単にいうと、次のような感じです。」
- 下流(河口から飯田橋):車通りが激しい一般道
- 中流(飯田橋から高田馬場):江戸川橋までは下流と同じ、上流側は遊歩道
- 上流(高場馬場から井の頭公園):歩行者専用道(自転車は除く)
「下流側は積極的に走りたくないですね。」
「はい、特に、下流域、特に水道橋から飯田橋経由で江戸川橋というルート(目白通り)はお勧めしません。」
「迂回路は?」
「水道橋からは江戸時代の神田上水跡を走る裏道が迂回路になりますよ。車通りが少ないので、走りやすいです。」
神田川下流?中流?上流?
「さきほどの神田川下流、中流、上流がいまいちわからないです。」
「それぞれの箇所についてもう少しくわしく説明しますね。」
神田川下流
「神田川の下流とは、どこを指すのですか?」
「神田川下流とは、河口の隅田川合流地点からJR飯田橋付近あたりまで。」
「飯田橋で川が分かれていますよね。」
「その通りです。飯田橋から南に流れていくのが、日本橋川。江戸時代までは平川と呼ばれていたらしい。そして、飯田橋から東に流れていくのが、神田川下流。この区間の大部分は江戸時代初期に新しく開削された区間なんですよ。」
「開削?」
「そう。飯田橋から河口の隅田川との合流地点は大地を削ってつくった人工河川です。」
「なぜ、人工的に川を作ったのですか。」
「理由は2つ。1つは、南側には江戸城(現在の皇居)があったので、洪水を起こすわけにはいかないから。つまり、治水対策。2つ目は江戸城の外堀として機能するためです。」
「江戸時代に開削って大変でしたよね。」
「はい。特に開削するルート上には本郷台地と呼ばれる台地があったのです。だから、台地を切り裂いたので、そこだけは堀が深くなっています。」
「本郷台地とはどのあたり?」
「現代のお茶の水駅付近ですね。お茶の水駅の前後で必ず登らないといけないでしょ。ちなみに、駿河台と呼ばれるエリアは本郷台地の南側の台地が残っている場所です。そして、開削してできた堀を仙台堀と呼びます。」
「仙台?」
「はい。伊達政宗で有名な仙台藩が工事を担当したことにちなんでいるのです。」
「削った跡は今でもわかりやすいですか。」
「秋葉原からお茶の水駅に向かう途中で振り返ると、はっきりとわかります。地下鉄丸の内線とJR総武線が交差するお勧め撮影スポットですよ。」
↑仙台堀、タイミング合えば、JR総武線、中央線、丸の内線と全部同時に撮影可能
↑河口近く柳橋近くには屋形船がならぶ
神田川中流
「中流はどのあたりでしょうか。」
「飯田橋から高田馬場あたりです。昔は江戸川と呼ばれていました。」
「江戸川?東京都と千葉県の間を流れる川をイメージするけど?」
「現代ではその江戸川が有名ですが、それとは全く別です。昭和中頃までは神田川中流域は江戸川と呼ばれていました。」
「全く別なんですね。」
「このエリアの真ん中あたりに江戸川橋がありますね。」
「なるほど。地名に川の名前が残っているのですね。」
「江戸川橋からの神田川沿いは桜の名所です。しかし、注意が必要です。」
「注意?」
「はい。江戸川橋から肥後細川庭園近くまで、左岸は遊歩道で自転車通行不可です。押していく必要があります。」
↑江戸川橋から下流をのぞむ
↑肥後細川庭園。休日はコーヒースタンドも出ているときあり。
↑高田橋、妙正寺川と合流する
神田川上流
「上流は残り全部ですか?」
「はい。高田馬場あたりから、井の頭公園までです。この区間は神田上水と呼ばれていて、江戸時代初期から、実際に上水道として活躍していたそうです。この区間のほとんどは歩行者専用道路(自転車は除く)です。」
「いよいよ、走りやすそうですね。」
「そうでもないです。」
「どうしてですか。」
「数100mおきに車止めがあります。車止めごとに徐行が強いられるでしょう。」
「ロードバイクで颯爽と走るような道ではなさそうですね。」
「その通りです。ミニベロでゆっくり進むのがピッタリだと思いますよ。」
「実際の人通りのイメージはどんな感じですか?」
「歩行者30%、散歩しているお年寄り30%、犬散歩30%、ランナー10%という印象です。サイクリストは3人しかすれ違いませんでした。」
「まとめると、神田上水+江戸川+仙台堀=神田川という理解でよいですか?」
「良いと思います。1970年まではそれぞれ別々の呼び名だったそうです。」
↑善福寺川との合流。川の合流地点にくると盛り上がるのは私だけ?
↑環状八号との交差点近くには地下調整池あり
↑あなたはもう忘れたかしら♪ の歌碑あり。神田川という唄、みなさんご存知でしたか?
↑井の頭公園到着したところ、護岸は江戸時代のまま??
飲食店おすすめは?
「途中でお腹が減ったらどうしましょ?」
「都内なので、ちょっと脇道にそれると、いくらでもお店はありますね。」
「たしかにそうですね。」
「道中で一つだけおすすめするならば、寒天工房 讃岐屋さんです。」
「どうしてですか?」
「理由は次の3つです。」
- 高田馬場近くでちょうど中間地点近く
- サイクリングロード沿いにあるので見逃さない
- 外席で美味しいみたらし団子が食べられる
↑サイクリングロード沿いにある!
↑携帯食を買ってもいい。もちもちとしていて◎
どんな格好がよいか?
「神田川サイクリングロードを走るなら、どんな格好がよいでしょうか?」
「お好きな格好で。街中を走る道なので、それを踏まえた格好が良いと思いますよ。」
「ロードバイクで、レーシングパンツは合わないということですか。」
「絶対に場違いでしょう。ちょっとスポーティーなカジュアルウェアが良いと思います。」
「実際はどんな格好で出かけたのですか?」
「訪れたのは真冬だったので、次のような感じ。」
- インナー:mont-bell ジオライン
- ミドルレイヤー:裏起毛サイクリングジャージ
- アウター:Decathlon アウター
- タイツ:santic
- パンツ:Rapha
「寒そう!」
「いや、むしろ暑かった。当日は10度前後だけど、タイツをしっかりと履くと下半身が冷えてこない。」
まとめ
- 神田川サイクリングロードはないけど、川沿い走行可能
- 全長25kmくらいで浅草橋界隈から井の頭公園
- 下流域は車が多いから神田上水跡を通って迂回が良い
- 上流域は歩行者専用道(自転車は除く)がほとんど
今日も『自転車でGo.com』にお越しいただきありがとうございます。訪れるたびに発見がありそうな神田川沿線!
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